ひときわ可憐なルックスのこちらのチョコレート。年間1万箱を販売するという、shodai bio natureの看板メニューです。見た目が美しいだけではありません。そこには、シェフパティシエの持つ環境や食への確固たる哲学がありました!
可憐さと、おいしさと、「自然」の良さを追い求めてできたミルティペタル
ビオセボンではバレンタインシーズンに合わせ、オーガニックやフェアトレードのチョコレートなどを取り揃えています。中でも華やかなルックスのこちらは、福岡にある洋菓子店「shodai bio nature」さんの代表的な商品「ミルティペタル」
「ペタル=花びら」という名前のついた、その名の通り花びらのように1枚1枚が薄く繊細な華やかさを持つ、チョコレート!口にすると、ピンク色は木苺の風味、グリーンは有機抹茶…など、素材本来の風味がいっぱいに広がるリッチさと、ふわりと溶けていく儚さの両方がある、目にも舌にも贅沢なチョコレートの芸術品です。
shodai bio natureのシェフパティシエ・小代智紀さんにミルティペタルについてお話を伺うと、「元々はフランスにあるお店があって、そこがペタルを先に作っていたんです。それを見た時、本当に衝撃的で。当時のシェフが友人で、『お前、天才だよね!俺も作りたい』なんて言って僕もペタルを作ろうとしたんだけど、まず、なかなか理想の形を作るのに時間がかかりました」と開発秘話を教えて下さいました。
「それに、僕は人工的な色素や香料を使いたくなかったから、なかなか納得のできる色や風味が出なかったんですね。でも理想の花びらの形を作ろうと何年か試行錯誤していくうちに、天然素材でいい色や風味を出せる技術も進化していって。結局、理想の形や味わいに至るまで10年かかりました」
そう、shodai bio natureのお菓子は、すべて人工色素・人工香料・人工甘味料・トランス脂肪酸・保存料不使用。さらにプライスカードの上に、その商品のオーガニック使用率や卵・小麦などの素材を使用しているかがアイコンで表示されているなど、食の安全やトレーサビリティへの配慮がなされているんです。
大切な人に食べてもらうものだから、「オーガニックであること」がとても大切
「もちろん見た目も美味しさも大事なのだけど、でも、僕がミルティペタルで一番大事にしているのはオーガニックであることなんです。家族とか自分の愛する人、大切な人。お客さんもそうですよね。そういう人たちに、僕は自分が胸を張って出せるものを生業にしたいですから。素材の良いオーガニックを使っているからこそ、クオリティとかパッケージにしても、どこよりも美味しくないといけないと思って作っています」
お菓子づくりへのはっきりとしたポリシーと、それを追い求めるための努力や技術。そういった姿勢が透けて見えるような小代さんの言葉が印象的でした。
また、全てにおいて完全無農薬は難しくても、自分が定めたルールに沿った“モアベター”を探し続けることへの努力についても教えていただきました。
「うちは、お店によっては店頭で野菜やフルーツを売ることもあるんだけど、仕入れているところには基本的に僕が見に行ってます。だから、うちのチョコレートはフェアトレードのカカオを使っているんですが、メーカー任せにしないで、カカオの産地を見にエクアドルの山奥に行ったりもしています。
例えば、イチゴって普通どおりつくっていると、収穫までに何度も農薬を使うんですね。それが『普通』なんです。生産者さんを回って、僕が農家の方にまず聞くことは『農薬とか化学肥料を何回使ってます?』っていうことですね。農家の人は正直だから正直に答えてくれるんです。『うーん、普通ぐらいですね』って言ったら、何回使っているかわかるでしょ。
だんだん産地に行くと、そういったことがわかるようになるわけです。うちのフルーツは、最低条件として、農薬の使用を通常の3分の1の量にして、化学肥料を使わない。これでつくっている所のものしか仕入れないことにしています」
ほぼすべての生産者さんをまわって対話し続けるって、本当に大変なこと!小代さんはなぜ、ここまでオーガニックを追い求めるようになったのでしょうか?伺うと、「僕も最初から添加物に気をつけていたわけじゃなかったんです。パティシエの仕事の初め頃は、合成香料や添加物を使ったお菓子づくりをしていました」と意外なお答え。
オーガニックを追求するって簡単じゃない。でも考え続けていきたい
「合成色素を使うと、見栄えが良いからますます売れるんです。でも、僕のつくったお菓子を僕の師匠のところに持っていった時、色のついていない白とか、チョコレートの自然な茶色のマカロンしか手に取らないんですよ。それと、僕の子どもたちがアトピーだったのを、原因を辿っていって、食を見直したら半年ぐらいで良くなったということがあったんです。
更に、さっきの話にあったように、生産者さんのことを知れば知るほど、自分が考えていた以上に農薬ってものが一般的に使われていたということが分かってきて。この3つが、オーガニックを志向するようになる大きなきっかけでしたね。だから、独立して自分が納得のいくものを作りたかった。
でも、深く入っていって知れば知るほど、農家さんのことを考えると、農薬については難しいと感じることも多いです。無添加栽培って本当に大変ですから。でも良い食文化のためにどうすべきかは、諦めずにずっと考えていかなくてはいけないことだと思います。『なんでこのパンはこんなに安いんだろう?』『どうしてこの食べ物はこんなに長持ちするの?』っていう『なんで?』を考えてみてほしいなと思います」
できるところからでいい。食の安全について、意識をすることが大事
小代さんの食への意識はとても高いもの。でも、実践のためには、難しいことではなくて「まずは考える、知る。でもオーガニックな暮らしはできるところからスタートしたらいい」と言います。
「人間の体のベースとなる“食”って本当に大切なんです。そこに遺伝子組換え作物とか、農薬とかをなるべく入れないでおきましょうっていうことですね。だからお買い物は、命を預かるものだから真剣にしたほうがいいと僕は思っています。まずは極力出来るところから、夕飯全部がオーガニックじゃなくても、ほうれん草のおひたしと出汁とか、そういうのが1品でもオーガニックになってるだけでもいいんです。お買い物の時に『なんで?』を大事にしてほしいし、信頼できるところで買い物をしてほしいって思います」
僕はお母さん向けの『食についての教室』を開いています。お菓子づくりのことから、こうした食の安全の話について、主にお母さんたちに向けて話すわけです。今までの自分や、オーガニックな食事ができなかったからと言って自分を責める必要はなくって、『今日はできなかったけど、しょうがないね』っていう程度でいいと思うんですね。
だって、食事って楽しくないとダメじゃないですか。だから、できることからでいい。できれば週に2回ぐらい家族で集まってご飯食べましょうとか、お買い物はオーガニックスーパーとか、道の駅にしてみるとか。できるところからやって、考えて、家族と話してみたりね。そんな風に、オーガニックが『普通のこと』になっていって欲しいですね」
お家のご飯という身近な今の『普通の食』の中身を、より良い『普通』に変えていくこと。小代さんがshodai bio natureで実践していることも、スケールが違うけれど私たちが家庭でできることと根っこは変わらないんだ!と感じました。
おすすめアイテム
- shodai bio nature
ミルティペタル - 色とりどりの花びらをかたどったチョコレート。抹茶やマンゴーなどの様々な味の詰め合わせ
※写真はイメージです。
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